私が幼少の頃は、憧れのバレリーナはたくさんいらっしゃいました。情報が限られていた(舞台公演、テレビ放送、「ダンスマガジン」という雑誌など)ので、それらをくいいって見るうちに夢中になったものです。
日本のバレエのレジェンドといえば森下洋子さん。熊川哲也さん。お二人を知らないというお子様も多く、というか、憧れのバレリーナがいない状態でバレエを踊っているお子様もいます。はてはて、困った。。。
先日、キッズのお友達で足がぐんぐん大きくなってしまい、自分の足の大きさに少しコンプレックスを抱いているお子様がいまして。。。
気持ちはわかるような気がしますが、そうは言っても、いただいた体に感謝して、心おきなく踊っていただきたい。
その時にふと洋子さんのことを思い出しました。
洋子さんは、とても体が小さくて、実際にお会いすると本当にびっくりするくらい小さくていらっしゃいます。
だけれど、足の大きさは24センチ。私は足が大きくて助かった、とおっしゃっていたのを思い出したのです。
そのエピソードを伝えて、その足を武器にしなくてはね!!と励ましたところ、少し元気になり、自分の足を存分に大きく長く動かしてくれるようになりました。
洋子さんは、他にも、O脚のお悩みがありましたが、モナコのマリカ先生に師事し、使い方でO脚は治せることを教えてもらったとおっしゃっていました。世界を驚愕させた日本のプリマは、背が低くて、足が大きくて、O脚だった。
さらに小さい頃は病気をしがちでとても体が弱く、体を強くするためにバレエを始めた、というエピソードも。
洋子さんの踊りは、力強く、美しく。音楽の取り方が完璧で。それこそ、VHSのテープが伸びちゃうくらい見たものです。昭和〜♪。
小学生の卒業式(嘉本の)のこと。卒業証書を受け取ったら、将来の夢を1人ずつ話すことになりました。その頃から、ちょっと冷めた物の見方をする私だったのですが(苦笑)、ここで本当のことを言わなくても構わないだろう。。けれど大嘘をつくのもなぁと思って、「森下洋子さんのようなバレリーナになりたい」と言いました。言っちゃいました。でも、「洋子さん」という人物に含まれた、どんな境遇でもめげずに踊ること、特に自分もO脚だったので、それでも人に何かを訴えられるような踊りを踊れるような人になれたらいいな、という意味合いがありました。長い、言い訳のような夢。。。
今回踊るボレロのこと。
古典の世界では、年齢を重ねると踊れない演目が増えて行きます。そして現役を諦めるダンサーの方も多いかと思います。でも、本物のダンサーであれば、表現できる内容はこれから深まっていくのに。立つだけで、何かを語れるようになっていくのに。本当に勿体無いです。我々聴衆は、みすみす素晴らしいダンサーの踊りを見過ごして良いのだろうか。。。
そんな気持ちも込めて。。。
古典が踊れない=現役引退
という常識を打破したい。。。
言葉にすると大袈裟だけれど、私が常々思っていることです。
ゆりのきバレエスタジオ開設する時に言葉にした「踊りはプロのためだけのものではない」にも通じます。
しかし。稽古は必須。その稽古は時に厳しく自分を奮い立たせるものになるかもしれないけれど、自分にしか出せない表現を生み出す喜びに比べたら、鼻くそ(あら、失礼)みたいなものです。
という喜びの世界に、なるべくたくさんの人に来て欲しい、と思うのでした。精を尽くして踊りま〜す♪
固定概念を外して。まずは、自分の感性が開く、自分が好きだな、と思う曲で踊れば良いのです〜。演歌でもいいかも〜〜〜!!美空ひばりさんでもいい踊りが作れる!というか作ってみたい!!
といいながら、一周回って角野さんのショパンを聞いて、細胞レベルで汚れを払っている感じ。。。美しさに浸っています。
発表会まであと少し。頑張ろう。
今日も好き一日を。
読んでいただきありがとうございました。